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調査レポート37

調査レポート「中小旅館の現状と今後の対応策」について

 景気低迷が長引き、国内観光旅行需要が落ち込むなか、中小旅館は宿泊客数の減少、客室稼働率の低下、宿泊単価の下落に見舞われており、売上高の減少とともに採算の悪化も進んでいる。また、団体旅行が減少し、宿泊客が個人客中心へとシフトするといった環境変化への対応も求められており、中小旅館は総じて厳しい状況下に置かれている。中小公庫調査部では、このような状況にある中小旅館について、経営環境の現状を把握するとともに、宿泊ニーズの変化とその影響について考察し、今後の対応策を検討した標記レポートを作成した。概要は以下の通り。

  • 1. 旅館を取り巻く状況
      国内観光旅行については、消費者の意欲は高いものの、実際の参加人口は減少しており、また参加者においても、回数に加え、宿泊数や費用といった質・量の両面から旅行は控えられている。また、国内観光旅行に対する需要は、数量的に減少しているだけでなく、団体旅行中心から個人旅行中心への転換や、それに伴う旅行ニーズの多様化など、質的にも大きく変化している。この結果、中小旅館においては宿泊者数の減少、宿泊単価の下落が続いており、全体的に業況は低迷し、倒産も増加している。
  • 2. 旅館の対応
      ヒアリング事例に基づき、健闘している旅館の対応策をまとめると以下のようなものとなる。①個人客への転換、顧客層を絞り込む。②ターゲットとなる顧客層のニーズを把握する。③コンセプト付けによる独自性の確立。④顧客層のニーズ、コンセプト付けに合わせた施設やサービスを整備。⑤高い顧客満足度の獲得。こうした対応により宿泊客の確保、宿泊単価の維持が実現されている。
  • 3. 今後の見通し
      2001年の宿泊需要は全体としてやや回復の兆しがみられるものの、宿泊能力の供給過剰が解消される見通しは薄く、中小旅館にとっては依然として厳しい経営環境が継続するとみられる。今後の動向については、個人客(一人客や小グループ)の増加、泊食分離の動き、インターネット活用などが注目されるが、最も求められていることは、どのような宿泊客を、どのような価格で、どのように接客するするかということを今一度明確にした上で、それに向けて体制を整備するということであると考えられる。