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調査レポート35

調査レポート「中小企業の情報化の現状と見通し」について

 中小公庫調査部では、中小企業の情報化への取り組み状況を把握するため、第166回中小企業動向調査付帯調査「中小企業の情報化について」の調査結果をもとに標記レポートを作成した(調査時点平成12年6月30日、対象当公庫取引先13,887社、回答企業6,918社、回答率49.8%)。レポートは2部構成で、第一部はアンケート調査結果と解説、第二部は回答企業の中から、ITを自社の戦略やビジネスプロセスにうまく組み込む形で活用しているヒアリング事例を9例紹介した。第一部の概要は以下のとおり。

1.ITツールの導入状況

パソコンの普及率は9割超、電子メール、インターネットも6割前後の企業に普及

 パソコンの導入率は95.0%と普及が進んでいる。電子メール利用率は57.0%、インターネット利用率は64.1%、ホームページ開設率は31.1%、モバイル機器利用率は8.7%である。ホームページは開設検討中の企業が25.6%あり、今後急速に開設が進む可能性がある。
 中小企業のパソコン普及率は相当高まっており、IT化の内容は、単にワープロや表計算ソフトを利用して個々人の事務処理を効率化するというレベルから、自社内外のコンピュータ同士を接続することで企業活動全般の合理化を目指す基盤が整いつつある。

2.コンピュータ・ネットワークの構築状況

コンピュータ・ネットワークの普及率は企業内で54%、企業間が29%

 企業内外のコンピュータ相互接続は、企業内で53.9%、企業間で29.3%の企業が実施済みである。また「1~2年以内に実施予定」と回答した先は、企業内で16.2%、企業間で14.7%あり、今後1~2年以内に企業内で7割、企業間で4割を超える普及率となる可能性もある。
  製造業を対象とした前回調査(97年9月)では、企業内で28.3%、企業間で20.3%の普及率であった。今回調査結果の製造業の普及率は企業内56.3%、企業間30.9%となっており、急速に普及が進んでいる。なお、企業間ネットワークの形態は現状では専用線やVANなどで接続された専用ネットワークが多いが、今後についてはインターネットを利用したオープンなネットワークの実施予定が多い。

導入企業の7~8割で効果あり

 コンピュータ・ネットワーク導入で「大きい効果」があったと回答した企業は、企業内で26.0%、企業間で27.7%と、それぞれ約4社に1社程度であった。ただし「効果あり」まで含めると、企業内で67.4%、企業間で79.0%に達し、導入済み企業の7~8割で既に効果が現われている。

3.電子商取引

何らかの形で電子商取引を実施している企業は全体の16%

 B2C販売(消費者向け電子商取引)、B2B販売(企業間電子商取引)、B2B購買(企業間電子商取引)の少なくとも一つを「実施済み」と回答した企業は、全体の15.7%存在した。全ての取引形態について未実施かつ実施予定もない先の比率61.2%を全体から差し引けば、「今後1~2年のうちに4割近い企業が何らかの形で電子商取引を実施している」可能性があると言える。
 電子商取引の成果については、実施済み企業のうち成果があったとする企業の割合はB2Cで35%、B2B販売で61%、B2B購買では69%であり、B2Bの分野で前向きに評価している企業の割合が高い。

中小企業は今後の情報化の進展については前向きに捉えている

 電子商取引等の情報化が進展した場合の自社への影響を、「プラス」と捉える企業が34.2%であるのに対し、「マイナス」と捉える向きは3.5%に過ぎず、中小企業は「情報化の進展」を市場拡大やコスト削減につながる前向きなものと捉えている。ただし「わからない」と「無回答」の合計が39.4%を占めており、影響を計りかねている企業も多い。