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調査レポート34
調査レポート「シニア市場の現状と中小企業のビジネスチャンス」について
中小公庫調査部では、高齢化の進展に伴って拡大が見込まれるシニア市場の全体像をとらえる中で、シニア市場における中小企業の事業展開の可能性と課題について取りまとめた標記レポートを作成した。概要は以下のとおりである。
各種の統計からシニアのイメージを再検討すると、シニアは「多様で成熟した消費者」であることが確認できる。また、シニア層の多くには「老後」への不安、身体機能低下と自立志向、自由になる時間が多い、といった共通の傾向があり、「健康」「安全・安心」や「節約・貯蓄」といった志向が見られる。
これらの傾向を背景に、費目別では「遊・健」「住」分野でニーズが強い。また、成熟した消費者としてのニーズは、消費全般において画一的な高齢者向けや若者の追随ではなく「自分に合ったもの」に向けられるであろう。ユニバーサルデザインも身体機能低下と自立志向などを反映したものと考えられる。
供給側の対応について、シニア向けの商品やサービスに関わる新聞記事を抽出してみると、紹介されたシニア向け新商品・新サービスのうち中小企業によるものは39%であり、シニア市場での中小企業の存在感はなかなか大きい。
企業規模別に特徴をみると、非中小企業では、生活場面の全般にわたって大手消費財メーカーの高齢化対応が進んでおり、福祉用具の主要な商品では大手企業が新規参入し競争が激化している。商品開発に当たっては、「使いやすさ」の向上のために、体型や認知性などについての基礎研究から行っている例も目立つ。また、ニーズの把握や商品の評価に直接高齢者の声を反映させる動きも見られる。
中小企業の特徴的な動きとしては、(1) 福祉関連既存業者の活躍、(2) 福祉用具でのニッチ商品による異業種からの参入、(3) コミュニケーション分野での異業種からの参入、(4)「人にやさしい」商品、ファッション、娯楽関係でのニッチ商品展開といった点が挙げられる。
シニア市場の規模が拡大する中で大手企業の高齢化対応は急速に進むが、中小企業にとってもユーザーニーズの実感に基づく開発や少量生産といった特性を活かせる可能性が大きく広がると考えられる。
シニア市場の可能性を活かすためには、加齢による身体機能等の変化に配慮した「使いやすさ」と、従来の老人イメージを払拭したファッション性を兼ね備えた商品・サービスの開発が必要であると思われる。特に「使いやすさ」については我が国でも基礎研究やこれに基づく支援態勢の整備が進みつつあり、中小企業もこれを活用することが重要となろう。また、ニーズの把握についても地域密着などの特性を更に活用するといった工夫が求められる。