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近年の目覚しい経済発展によって、中国国内市場は急速に拡大しています。それに伴い、日本企業は様々な日本製品を中国国内市場に投入しようと力を入れています。しかし、注目すべきは中国国内市場だけなのでしょうか。今回は、日本に居ながらでも可能な中国ビジネスへの関与の一案をご紹介します。
一方、「経営情報No.349」でご案内したとおり、中国国内では2008年1月1日から『企業所得税法』(2007年3月16日公布)が施行され、それに併せて具体的な改正内容を定めた『企業所得税法実施条例』(2007年12月6日公布)をはじめとする同法の実施細則も施行されました。以下に、その内容についてご紹介します。
2000年に一般の中国人が日本へ旅行することが解禁されて以来、訪日中国人旅行者数は年々増加し、2007年には90万人を越える勢いを見せています。また、2007年の国別訪日旅行者数では、中国はアメリカを抜き第3位になることも確実視されています。
中国人が日本に旅行する場合、1人当たり最低10万円程度の旅行費用と75万円程度の保証金(※1)が必要となります。高額な旅行資金を用意でき、かつ購買力も兼ね備えた、いわゆる「富裕層」に属する中国人が財布の紐を緩めて大挙して日本に押し掛けて来るのを、商機として見逃す手はありません。
最近、訪日中国人旅行者数は、2005年65.3万人、2006年81.2万人と堅調に増加しています。2007年9月末現在では72.8万人で、前年同期と比較して17.0%も増加しています(図表1)。
月別にみると、夏休みが始まる7月から国慶節(※2)のある10月までがピークとなります。2007年については、2月の春節(※3)の時期も前年同期と比べて大幅に増加しており、今後は春節時期の旅行者の増加も期待されています(図表2)。

中国人旅行者が日本で買い物をする第一のキーワードは「値頃感」です。中国で購入できる日本製品は高額にもかかわらず、高品質・高性能・高安全性といったブランドイメージによって、その売れ行きは中国人富裕層の間で好調です。中国国内で高い日本製品を「安く買える」ことが、訪日中国人旅行者の購買意欲を刺激します。
第二のキーワードは「豊富な品揃え」です。中国では日本製品の種類はかなり限定されているため、「中国国内には無い」というプレミア感が中国人旅行者の購買意欲を一層高めます。
では、具体的にどのような商品が中国人旅行者に受けが良いのでしょうか。かつては、デジカメ等のデジタル製品が日本での買い物の定番でした。しかしそれらは、最近では中国でも入手しやすくなったため、現在では化粧品からアパレル製品、紙オムツといった子供用品に至るまで、多岐に亘ってきており、ニーズを絞り込むのは難しくなっています。
中国国内において、富裕層と同様に品質や安全性等を求める傾向があるのは、日本人長期滞在者です。外務省統計によれば、その数は12万人を超えています(2006年10月1日現在)。彼等が日本に一時帰国する際に買い求める日本製品が、訪日中国人旅行者のニーズを探る手がかりとなるかもしれません。上海在住の日本人駐在員にヒアリングしたところ、日本酒・焼酎などの嗜好品、レトルト食品などの食料品、日本のドラッグストアで販売されているような医薬品、車用品(小物)、腕時計なども、上記化粧品などと共に最近のトレンドと言えそうです。
商機を十分に活かすためには、中国人旅行者用の商品ラインアップだけでなく、接客方法や販促方法等を充実させることも日本側の重要な課題です。例えば、日本語と中国語が併記されている簡単な会話集を作成する、中国で一般的となっている「300元毎に50元キャッシュバック」や「2個買ったら1個おまけ」等、中国人の慣れ親しんだ販促方法を用いることも効果的かもしれません。中国人の生活様式を理解したうえで接客をするなど、些細な工夫からサービス面の充実を図っていくことが必要となるでしょう。
また、90万人を超える旅行者を迎える宿泊施設の充実も必要です。日本人の旅行形態が団体から個人に変わっていく中で、中国人旅行者は1ツアーあたり20名を超える団体で来ることが一般的なので、宿泊施設側としては貴重な団体客といえます。
中国人旅行者の消費マインドをつかむ効果は、日本市場の拡大だけではありません。
現在、多くの日本企業が中国人富裕層の獲得に躍起になっていますが、中国国内でマーケティングや広報活動を行うには多大な労力と費用が必要です。そこで、中国人旅行者の日本での購買動向を分析することで、中国現地に赴かずとも中国国内での日本製品の販売戦略に活用すること、また、中国市場への投入を検討している日本製品を訪日中国人旅行者に試してもらうこと等、商品開発や広報活動面で中国人旅行者を活用することもできるでしょう。
このように、訪日中国人旅行者を上手く取り込むことは、様々な業種において有益な情報や効果をもたらすものと思われます。
(日中経済協会上海事務所 鈴木 仙人)
これまで中国の企業所得税(日本の法人税に該当)については、中国資本の企業(内資企業)と外国資本の企業(外資企業)に別々の法律が適用されてきました。しかし、2007年3月16日に公布された『企業所得税法』により、資本形態にかかわらず企業所得税法が一本化されることとなりました(詳細については、「経営情報№349」参照)。同法上では、具体的な改正内容について触れておらず、その実施細則の公布・施行が待たれていました。
2007年12月6日に待望の『企業所得税法実施条例』が、また、同年12月26日には『企業所得税過渡優遇政策実施に関する通知』が公布され、2008年1月1日より施行されましたので、以下に主な項目について概要をまとめます。
『企業所得税法』では、企業所得税率は内資・外資ともに一律25%に規定されています。ただし、高新技術(ハイテク)企業、小規模の利益の少ない企業等、所定の要件を充たす企業については優遇税制が認められることになりました。
※ 『国が重点支援するハイテク技術』及び『ハイテク企業認定管理弁法』については、後日公布予定。
(3)の割合についても、『ハイテク企業認定管理弁法』にて規定される予定。

旧法下で、優遇税制を享受していた外資企業については、以下の通り、新税率への移行措置が設けられました。
なお、これまで経営期間が10年以上の生産型外資企業に対して適用されてきた定期減免税措置(2免3減)(※4)については、移行措置として、既に定期減免税措置を享受している企業は期間満了まで継続可能とし、未だ定期減免税措置を享受していない企業は2008年を定期減免税措置の開始年度とすることとしました。

減価償却については、以下の通り変更がありました。

従来、中国現地法人から日本親会社に送金する配当金については免税でしたが、『企業所得税法』の施行により、今後、配当金額の10%について源泉徴収されることになりました。
諸経費の控除については、主に以下の変更がありました。交際費、広告費等については控除範囲が狭まり、外資企業の中には負担増となるケースもあるので、注意が必要です。

(日中投資促進機構 山本 大策)
※4 定期減免税措置:経営期間が10年以上の生産型外資企業については、利益獲得年度から、企業所得税を2年間免税、その後3年間半減する措置。