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地域資源を活用した事業展開の促進
~中小企業地域資源活用プログラム~
わが国経済の安定的・持続的な回復を着実なものとしていくためにも、地域がそれぞれの強みを活かして、自立的・内発的な経済発展を目指すことが求められています。
各地域には、産地の技術、地域の特色ある農林水産品、観光資源といった、地域の強みとなりうる「地域資源」が数多く存在しています。しかしながら、地域の中小企業が「地域資源」を活用した地域産業作りを進めるためには、解決しなければならない課題が存在します。
こうしたことから、国は「中小企業地域資源活用プログラム」を創設し、中小企業の「地域資源」を活用した事業展開を支援しています。
本号では、同プログラムの概要と各種支援措置についてご紹介します。
地域の活性化を担う中小企業が直面する課題
「地域資源」は、中小企業にとって域外に事業展開する際の有効な差別化要素となります。地域の中小企業が、「地域資源」を活用した創意ある取組みを行い、製品・サービスの差別化を図ることにより、大都市圏や海外市場への展開も視野に入れた地域産業作りを進めることは、地域全体の活性化につながると考えられますが、そうした取組みを進めるにあたっては、以下のような課題を解決する必要があります。
- ・市場調査、商品企画・開発、販路開拓等に必要なノウハウや人的ネットワーク、資金、人材等を確保することが容易でなく、域外市場を狙った新商品等の開発・事業化を迅速に実現することが難しい。
- ・域外市場に関する情報や人的ネットワークが不足しており、「地域資源」の本来の価値を認識して、新しい取組みにつなげる動きが起こりにくい。また、地域ブランドの確立など、地域全体で「地域資源」の価値を高めていくという取組みを進めることが難しい。
こうした状況を踏まえて、「中小企業地域資源活用プログラム」が創設され、中小企業による「地域資源」を活用した新商品等の開発・事業化への取組みや、地域による「地域資源」の掘り起こし、ブランド化に向けた取組みに対する支援等、様々な支援策が実施されています。
中小企業地域資源活用プログラムの概要
1.域外市場を狙った新商品開発等の開発・事業化に対する支援
(1)「中小企業地域資源活用促進法(略称)」の制定(平成19年6月29日施行)
- 本法は、中小企業地域資源活用プログラムを具体化する法律です。各地域の「強み」である産地の技術、農林水産品、あるいは観光資源といった「地域資源」を活用して、新商品や新サービスを開発し、域外マーケットを狙ってその市場化に取り組む中小企業に対して、ノウハウ面と資金面の支援を組み合わせて支援を行っています。
【支援の流れ】
- (1) 国が、具体的な支援の方針や中小企業の事業計画を認定する要件等を記載した「基本方針」を策定します。
- (2) これを受けて、各都道府県がそれぞれ「基本構想」を策定、各地域ごとに地域資源を具体的に指定し、国が認定します。
- (3) 中小企業者が、「基本構想」に定められた地域資源を活用した事業計画(地域資源を活用し、新商品開発を行なう計画)を作成し、国が認定します。
- (4) 国が事業計画を認定した中小企業者に対し、各種支援を行います。
【支援スキーム】

特にノウハウ面では、全国10箇所にハンズオン支援事務局を設置し、マーケティングやブランド戦略などに精通した専門家が、事業計画の策定から商品開発、販路開拓まで、段階に応じたきめ細かいアドバイスを行っています。また、食品加工分野や観光分野等での取組みに関しては、国土交通省や農林水産省など関係6省庁がノウハウを持ち寄り、効果的な支援を行います。
(2)資金面の主な支援措置
- (補助金等)
- ・試作品開発、展示会出展などに係る費用の一部
- ・中小企業基盤整備機構(以下中小機構)が主催する商談会等への出展にかかる費用の一部
- (融資等)
- ・政府系金融機関による低利融資(中小公庫他)
- ・中小企業信用保証協会の債務保証枠の拡大
- ・組合が行う施設の整備に必要な資金を都道府県と中小機構が協力して融資
- ・食品関係の取組みに必要な資金の借入れに係る債務保証等
2.地域資源を活用した新たな取組みの掘り起こしや地域資源の価値向上(ブランド化等に対する主な支援措置)
中小企業地域資源活用プログラムでは、中小企業地域資源活用促進法に基づく支援以外にも、以下のような様々な支援を行っています。
(1) 地域資源を活用した新たな取組みの掘り起こし
- (1) 5年間で約2000億円の資金枠を確保し「地域中小企業応援ファンド」を創設、企業や事業の成長段階に応じた支援(スタート・アップ応援型、チャレンジ企業応援型)を行う
- (2) 商工会、商工会議所、地場産業振興センター、中小企業組合等が行う交流会や研究会等、地域中小企業と外部人材とのネットワーク構築活動等を支援
- (3) 商品企画・開発に関するマニュアルや先進的な企業事例等の普及
- (4) フォーラム等を開催し、各地域の先進的な取組みの紹介等を通じて、地域におけるブランドづくりへの意識喚起や、取組みの促進などを図る
- (5) 地域資源を活用するための大学等と連携した研究開発を支援
- (6) 各地域ブロック毎に支援拠点を設置し、マーケティング等に精通した専門家が、市場調査、商品企画に対するアドバイスを実施
(2) 地域資源の価値向上(ブランド化等)に向けた地域一体の取組みに対する支援
- (1) 地域資源を活用した商品の販路開拓などに地域一体で取り組む組合等に対し、展示会出展等の費用の一部を補助
- (2) 地域の関係事業者が一体となって、国際市場で通用する高いブランド力(JAPANブランド)の構築を目指す取組みを支援
- (3) 地域中小企業の取引機会やテストマーケティングの機会の拡大を図るため、中小機構が商談会の開催やアンテナショップの開設を行う
こうした支援措置に加えて、中小機構が主催する中小企業ビジネス支援ポータルサイト「J-Net21」(*)では、「地域資源活用チャンネル」(*)を開設し、様々な情報発信を行っています。そうした情報や各種支援策を積極的に活用し、中小企業による地域資源を活用した創意工夫あふれる取組みが各地で次々と生まれ、地域中小企業が活性化することが期待されています。
(経営情報部 田中 文男)