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~『中華人民共和国企業所得税法』2008年1月より施行~
2007年3月16日、『中華人民共和国企業所得税法』が公布され、2008年1月1日から施行されることになりました。中国では現在、不動産価格の高騰や労働需給の逼迫など日系企業を取り巻く環境が厳しくなる中での実質増税措置だけに、日系企業の今後の中国における事業展開にかなり影響を及ぼすと思われます。
本号では、『中華人民共和国企業所得税法』のポイントをご紹介します。
中国の企業所得税は、日本の法人税に相当する税金で、生産・経営活動を通じて獲得した所得及びその他所得(配当、利子、財産譲渡など)が課税対象となります。これまで企業所得税にかかる法規は、中国資本の企業(以下、内資企業)には『中華人民共和国企業所得税暫定条例』、外国資本の企業(以下、外資企業)には『中華人民共和国外国投資企業及び外国企業所得税法』が適用され、国内に2種類の企業所得税が存在していました。この背景には、中国が1978年に改革開放政策を打ち出し、外国企業を積極的に誘致し、その技術力等を利用して迅速な経済発展を図ろうとしたことがあります。現在、内資企業の企業所得税率は原則33%であるが、特定地域(※1)に進出する外資企業の企業所得税率は15~24%というように、優遇税率が適用されてきました。
しかし、2001年のWTO加盟に伴い、外国企業に対する規制が次々と緩和され、外資企業が急増したことから内資企業と外資企業との競争が激化し、税制面で不利な立場に立たされている内資企業から不満が続出しました。このため内資企業と外資企業の不平等を解消することを目的に、今回『中華人民共和国企業所得税法』(以下、新所得税法もしくは新法)が公布され、2008年1月1日以降、内資企業及び外資企業の企業所得税率が一本化されることとなりました。
(※1)特定地域・・・
特定地域とは、改革開放政策下で外資誘致を進めるため、1980年華南地方の4都市を経済特区として指定したことを皮切りに、その後中国各地に設置された各種開発区や開放都市のこと。
新所得税法は、全8章60条で構成されていますが、主な改正点は(1)企業所得税率の改正、(2)定期減免措置(2免3減)(※2)の廃止の2点です。
(1)企業所得税率については、新法では、内資・外資ともに一律25%に規定されています。これは、内資企業にとっては減税となりますが、生産型外資企業にとっては2008~2012年にかけて段階的に税率を調整する移行措置期間が設定されるものの、基本的には増税となります。ただし、ハイテク企業や利益の少ない小規模企業は新法のもとでも引き続き優遇税制を享受でき、国家が発展を奨励する産業及びプロジェクト、公共インフラプロジェクトについては優遇措置を付与するとしています(詳細は実施細則にて規定される予定です)。
(2)定期減免措置については、これまで経営期間が10年以上の生産型外資企業に対して適用されてきましたが、新法公布以降に設立認可された企業には適用されなくなります。ただし、既存企業に対しては移行措置が施され、期間満了まで適用が可能となっています(移行措置期間中の税率についても実施細則にて規定される予定です)。
その他で留意すべき点は、新所得税法は具体的な移行措置や新優遇税制などを行政の裁量に委ねている部分が多いうえ、実施細則の公布を待たないと明確にならない点が多いことです。現在のところ実施細則や取扱通達がいつ公布されるのか、どのような内容となるのか判明しておらず、関係者はその動向に注目する必要があります。
(※2)定期減免措置・・・
当初設定した経営期間が10年以上の生産型外資企業について、利益獲得年度から、企業所得税を2年間免税、その後3年間半減する措置。

(日中投資促進機構 山本 大策)