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平成18年度の税制改正の概要を、中小企業経営に関連する項目を中心に紹介します。
【中小企業・ベンチャー支援】
【研究開発税制・情報基盤強化税制】
【その他の項目】
(1)制度改正の概要
同族会社への留保金課税不適用措置を見直すとともに、留保金課税の適用範囲を特定の同族会社に限定し、留保控除額を大幅に引き上げることで、内部留保への税負担を軽減するものです。
(2)同族会社の留保金課税制度の不適用措置の見直し
同族会社への留保金課税には、一定の要件を満たした場合、課税が免除される不適用措置が存在します。今回の改正では一部の措置が廃止または延長されます。

(3)制度改正の内容

資本金1億円以下の企業に限って認められている交際費の損金算入の特例措置*が2年間延長され、平成20年3月31日までとなります。
また、実務上、一人当たり3,000円が交際費と会議費等の区分の目安とされていましたが、交際費とは別に一人当たり5,000円以下の飲食費(役職員間の飲食費を除く)について損金算入を認めることが明確化されました。
*定額控除限度額(400万円)までの金額の90%の損金算入が認められているもの。
設備投資の促進を目的とした中小企業者の少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例措置が、上限金額を設けたうえで2年間延長されます。

創業5年以内の中小企業者には、欠損金の1年間の繰戻し還付措置の適用が2年間延長されます(平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に終了する事業年度)。
青色申告をしている特定中小企業者等(資本金3,000万円以下)が、新品の機械及び装置等を取得または賃借し、国内にある製造業、建設業などの指定事業用に供した場合、その事業年度において特別償却(取得価額の30%)または税額控除(取得価額の7%)の特例が受けられます(賃借した場合はリース料総額の4.2%を税額控除)。今回の改正ではこの制度の適用期限が延長され、対象となる資産が見直されます。

(1)制度改正の内容
「増加試験研究費に係る税額控除」制度が「試験研究費の総額に係る税額控除」制度に統合し強化されるとともに、「中小企業技術基盤強化税制」についても見直されます。それにより、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に開始する各事業年度の試験研究費の総額が、前2事業年度の最も多い試験研究費を上回っている場合、比較試験研究費*を上回る部分の5%相当額が税額控除されます。また、恒久措置として試験研究費の総額の10%(資本金1億円以下の企業については12%)相当額の税額控除が認められます。ただし、控除額合計の限度を法人税額の20%とします。
*比較試験研究費
より多くの税額控除が認められるように、計算方法が簡素化されました。

(2)税額控除の計算例(資本金が1億円以下の企業の場合)

平成18年3月31日をもって適用期限となったIT投資減税に代わり、情報セキュリティを確保し、競争力を強化する設備投資を支援する情報基盤強化税制が創設されました。具体的には、青色申告書を提出する事業者が、平成18年4月1日から平成20年3月31日までの間に情報セキュリティ対策に対応した設備等*を取得し国内事業用に使った場合、その設備等の基準取得価額(取得価額の70%)の10%相当額を税額控除または50%相当額の特別償却が、2年間の時限措置として適用できます。
また、資本金1億円以下の企業は一定のリース資産について、基準リース費用総額の42%相当額の10%相当額を税額控除できます。ただし、当期の法人税額の20%相当額を限度とし、控除限度超過額は1年間の繰越しができます。
なお、本制度は資本金1億円以下の企業の場合、年間投資額の合計が300万円以上(リースの場合は420万円以上)で適用されます。

(1)定期・定額要件の緩和
新会社法の施行により役員報酬・賞与が役員給与として一本化されることに伴い、これまでの定期・定額給与に加え、あらかじめ支給額と支給時期が定められた役員給与(従来の賞与を含む)の損金算入が認められます。
(2)実質一人会社の社長報酬の損金算入に係る適正化
新会社法の施行により最低資本金要件が撤廃され、法人設立が容易になることに伴い、個人事業者の節税目的の法人成りを抑制する観点から、実質一人会社のオーナー社長など最も役員報酬を得ている役員の給与所得控除相当分は損金不算入となります。

キャッシュが乏しい中小企業の事業承継の円滑化に寄与する相続税の物納手続きが改正されます。ポイントは以下のとおりです。
(1)これまで不明確だった物納不適格財産が法令で限定・明確化されるとともに、市場で処分しやすい財産の物納を優先するため、物納劣後財産が定められた
(2)物納手続きの迅速化・明確化
(3)その他
(経営情報部 藤川 直貴)